障害年金 | 双極性障害 その1

2021/09/13 ブログ
logo

障害年金は様々な障害で受給されていますが、最も多いのが精神の障害です。

双極性障害は、ハイテンションで活動的な躁の状態と憂鬱で無気力なうつの状態のサイクルを繰り返す病気です。躁うつ病ともいわれているため、うつ病の一種と考えられがちですが、実は全く別の病気です。

もしも、あなたが双極性障害で仕事や日常生活に支障をきたしてお悩みでしたら、障害年金の請求を検討することをお勧めします。

では、双極性障害で障害年金を請求するにはどうすればいいのでしょうか?…ぜひとも知っておいていただきたいことを解説していきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1. 双極性障害ってどんな病気?

2. 双極性障害で障害年金を請求する前に確認しておくこと

3. 双極性障害で障害年金が受けられる症状の目安は?

4. 双極性障害で障害年金請求する時に注意してほしいこと

5. よくあるお問い合わせ

 

 

<1.双極性障害ってどんな病気?>

双極性障害で障害年金を請求するのなら、先ず「双極性障害」っていう病気についてよく知っておくことが大切です。

障害年金請求においては病状の申し立て(病歴就労状況等申立書に記入)をするのに役立ちますし、自分の病気と向き合うことがよりよい治療につながっていくと思います。

 

双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す病気です。躁状態とうつ状態は両極端な状態です。その極端な状態をいったりきたりするのが双極性障害なのです。

気分の波は、誰にでもあります。幸せな感じがする時もあれば悲しい気分の時もあるには当たり前です。嫌なことがあった時に落ち込んだり、楽しいことがあった時にウキウキしたりするのは、ごく自然なことで、病気ではありません。でも、周囲の人が「どうもいつものあの人は違う」と気づいたり「ちょっとおかしいのでは?」と思われるほどその気分が行き過ぎていて、そのために家族や周りの人が困ったり社会的信用を失うほどであったら、それは、双極性障害かもしれません。

●「躁」状態とは

異常なほどの気分の高揚が持続し、「自分は偉い」「自分はすごい」という気持ち(万能感)が強くなります。体中がエネルギーに満ち溢れたように感じて、あまり眠らなくても平気になったり、上機嫌でおしゃべりになったり、様々な考えが次々に湧いて、じっとしていられなくなったりします。

しかし、単に陽気でエネルギッシュな状態というものではなく、同時にさまざまな問題も引き起こします。例えば、他人に対して高圧的な態度に出たり、到底出来そうにない無謀な計画を実行に移そうとしたりして、周囲の人とトラブルを起こすこともしばしばです。後先を考えずに快楽的な行動に熱中し、異常な浪費や性的逸脱行為などが見られることも少なくありません。また、アイデアを続々と思いついているようでも、実際には複数の考えが頭の中で競い合っているような状態になり、注意力散漫で物事に集中できなかったりします。

周囲からすると「異常である」ことは明らかでも、本人には自覚がなく、自分の思考や行動を正当であると思い込んでいる場合がほとんどです。病気であるという意識がないため、自ら病院に行こうとすることはまずありません。

●「うつ」状態とは

気分がひどく落ち込み憂鬱な状態(抑うつ気分)が二週間以上続きます。感情が振れなくなり、好きだったものにも興味や意欲が持てなくなったりと、何をしても「楽しい」と感じられなくなったり、おっくうで何も手につかなくなったりします。身体の面でも、眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの症状が現れます。誰にも会いたくなくなって部屋に引きこもる、食事や入浴といった基本的な生活行動への意欲も湧かなくなって一日中布団の中から出られない…というような場合もあります。さらに、ものごとを悲観的に考えがちになり、将来に絶望したり、自分自身を責めたり、自殺を考えたりすることもあります。

「うつ」の状態の本質は、単なる気分の落ち込みではなく「心のエネルギーの枯渇」です。あらゆることが辛くなり、無理に何かをやってみても、かえって疲れてしまい、悪化するばかりです。

●社会的損失

双極性障害の特徴は、本人の社会生活に大きな影響を及ぼす点にあります。

特に、「躁」状態の時が深刻です。常軌を逸した行動によって、周囲の人とトラブルを起こすことが多いからです。例えば、相手の都合などおかまいなしに夜中に電話をかけて話しまくったり、相手をバカにしたような態度をとったりしているうちに、信頼を失い、友人が離れていってしまいます。職場では、取引先にできもしない約束を交わしたり、非現実的なプロジェクトを実行に移しそうとしたりして、法的な後始末が必要になるような問題を生じさせ解雇など深刻な事態に陥るケースもあります。家族が振り回されることもしばしばです。本人の自分勝手な言動に翻弄されて疲れきってしまったり、多額の借金を背負わされたりして、別居や離婚に至ることもあります。

一方、「うつ」状態の時には希死念慮(死にたいと思う気持ち)が強くなる傾向にあり、自殺率が高いことが指摘されています。

このように、双極性障害は自然に治ると思って放置しておくと、人生そのものが大きく損なわれ、全てを失いかねない病気です。

早期に病気に気づき、受診と治療につなげることが何よりも重要です。

●本人が自覚しにくい病気

双極性障害は、人生に大きな支障を及ぼす病気であるにもかかわらず、見逃されやすい傾向にあります。その原因は、「うつ病」と間違われやすいことにあります。

双極性障害が「躁」状態から始まるか「うつ」状態から始まるかは人によりますが、多くの研究では「うつ」状態あら始まるとされています。双極性障害の「うつ」状態は、うつ病の症状とほぼ同じです。そのため、明らかな「躁」状態が出てくるまでは、「うつ病」と診断されてもやむを得ない面があるのです。

さらに、病気の経過をたどる中で、「躁」状態の期間と「うつ」状態の期間は同程度現れるのではなく、「うつ」状態の期間の方がはるかに長いのです。本人が苦しいのは「うつ」状態のときであり、「躁」状態や「軽躁」状態の時は病気であるとは思いません。むしろ、「うつ」が治った好ましい時期と認識します。そのため、受診をするにはどうしても「うつ」状態のときとなり本人が「躁」状態や「軽躁」状態のことを医師に話さなければ、やはり「うつ病」と診断されてしまうことが多いのです。

双極性障害を見逃さないためには、受診時の状態だけはではなく、それまでの行動も医師に伝えることが必要になります。本人の自覚がない場合も多いので、普段と変わった様子がなかったかどうか、家族や周囲の気づきが大切になります。

 

 

 

 

周囲の人の気づきで早めの受診と治療を!!

続きはブログ「障害年金|双極性障害 その2」をご覧ください!!