障害年金|統合失調症 その4
<4.統合失調症で障害年金を請求するときに注意してほしいこと>
●初診日の特定と証明
統合失調症の障害年金請求時に最初にすべきことは初診日の特定と証明です。
<目次2>でも説明したように、幻聴などの症状でかかりつけの内科を受診し、その後、精神の専門医にて統合失調症と診断された場合には幻聴の症状でかかりつけの内科を受診した日が初診日になります。また、統合失調症の方は抑うつや不安の症状もある方が多いため最初は「うつ病」、「不安神経症」等々統合失調症以外の病名がついていた場合でも、相当因果関係があれば同じ疾病であったとみなされます。
統合失調症で障害年金を受給できる程度の障害状態にある方は、長期にわたり療養をし、複数の病院を転々としているケースが多いため、その特定が困難な場合や、特定できた場合でも初診日の証明が受けられない場合が散見されます。(医師法上、カルテの保存期限が5年となっているため)
障害年金はどんなに症状が重篤であっても初診日の特定と証明ができなければ受給することができないので、何らかの客観的資料にてその証明をする必要があります。
また、通院による服薬で陽性症状が改善することによって本人には病識が無いため自己判断で通院を中断し、その後4~5年経過したところで陽性症状が再燃・悪化し受診を再開する場合があります。この場合、審査に当たっては、中断した期間について「病状が治癒した」と判断されることもありますので、初診日の特定には十分注意する必要があるとともに、病歴就労状況等申立書の記載内容が非常に重要になってきます。
●医師への診断書作成依頼
統合失調症での障害年金認定の鍵は診断書の「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」の記載内容にあると言えます…日常生活の様子をしっかり医師に伝えましょう!!
精神科の外来は大変込み合っていて待ち時間が長く、実際の診療時間は5分~10分程度と非常に短いのが現状です。この短い診療時間中に、日常生活の状態や就労の状況を的確に医師に伝えるのは困難です。その結果、実情をしっかり把握されていない診断書の内容になってしまわないためにも、日常生活の様子をあらかじめ記載しておいた文書と一緒に診断書を依頼することをお勧めします。また、自分では病気であるという認識がない場合も多いため、日常生活についてよく理解しているご家族等に同行していただき家族等から医師に伝えてもらうようにしましょう。
●病歴就労状況等申立書の作成
統合失調症での障害年金請求時の申立書の記載内容は認定を左右する診断書に準じる非常に重要な書類と言えます。
病歴・就労状況等申立書は、発病から初診、現在に至るまでの病状・病歴・治療歴・日常生活の状況等を請求する本人が記載して申し立てるものです。障害年金の審査は書類だけで行われるため、この申し立ても診断書に準じて重要なものとなります。
この記載内容によって、初診日の判断が変わる場合もあります。(社会的治癒や相当因果関係等考慮の参考とされるため)初診日が変わることによって、認定されるかどうかや受給額等に大きな影響を与えます。
また症状が、認定されるか否か若しくはどの級に該当するかのボーダーライン上にある場合、この申立書にどのような記載があるかが審査結果に大きく影響してきます。
続きはブログ「障害年金|統合失調症 その5」をご覧ください!!