障害年金|発達障害 その3

2021/09/27 ブログ
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<3.発達障害で障害年金が受けられる症状の目安は?>

発達障害の症状がどれくらいだったら、障害年金の対象となるのでしょうか?

 

① 障害年金の認定基準

症状が重い方から順に1級、2級、3級とされています。

初診日において国民年金に加入していた場合(もしくは20歳前障害の場合)は、1級または2級に該当しなければ認定されません。

これに対し、初診日において厚生年金に加入していた場合には、1級、2級に加えて3級に該当する場合も認定の対象となっています。

 

障害の等級

障害の状態

 

1級

発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの

 

2級

発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの

 

3級

発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限をもの

 

*発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものをいう。

 

発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害のより対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う。

また、発達障害とその他の認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。

 

*発達障害は、通常低年齢で発症する疾患であるが、知的障害を伴わない者が発達障害の症状により、初めて受診した日が20歳以降であった場合は、当該受診日を初診日とする。

 

*日常生活能力等の判定に当たっては、身体機能及び精神機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。

 

*就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約によって一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。

したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受ける援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断する。

 

 

② 精神障害に係る等級判定ガイドライン

平成28年より「精神の障害に係る等級判定のガイドライン」の運用が始まりました。

発達障害の症状の判定は日常生活能力によって審査され等級が決められていますが、診断書に記載される「日常生活能力の判定」と「日常生活の程度」に応じた等級の目安をガイドラインとして定めることにより地域差等をなくし公平に判定することを目的としています。

 

「日常生活能力の判定」とは

「日常生活能力の判定」とは、下記のように、日常生活における7つの項目についての状況を、単身で生活すると仮定して可能かどうかを4段階で判定するものです。

(1)

適切な食事

配膳などの準備も含めて適当量をバランスよく摂ることがほぼできるなど。

(2)

身辺の清潔保持

洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができる。また、自室の掃除や片付けができるなど。

(3)

金銭管理と買物

金銭を独力で適切に管理し、やりくりがほぼできる。また、一人で買い物が可能であり、計画的な買い物がほぼできるなど。

(4)

通院と服薬

規則的に通院や服薬を行い、症状等を主治医に伝えることができるなど。

(5)

他人との意思伝達及び対人関係

他人の話を聞く、自分の意志を相手に伝える、集団的行動が行えるなど。

(6)

身辺の安全保持 及び危機対応

事故等の危険から身を守る能力がある、通常と異なる事態となった時に他人に援助を求めるなどを含めて、適正に対応することができるなど。

(7)

社会性

銀行での金銭出し入れや公共施設等の利用が一人で可能。また、社会生活に必要な手続きが行えるなど。

 

 

単身で生活していると仮定して、可能かどうかを4つの段階で判定

できる

障害状態にない

自発的に(おおむね)できるが時には助言や指導を必要とする

3級障害程度

(自発的かつ適正に行うことはできないが)助言や指導があればできる

2級障害程度

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

1級障害程度

 

 

「日常生活能力の程度」とは

「日常生活能力の程度」とは日常生活全般を包括的に評価するものです。

 

日常生活能力の程度

想定等級

(1)

精神障害(病的体験・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが、社会生活は普通にできる。

障害の状態にない

 

 

(2)

精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には、援助が必要である。

(たとえば、日常的な家事をこなすことはできるが、状況や手順が変化したりすると困難を生じることがある。社会行動や自発的な行動が適切にできないこともある。金銭管理はおおむねできる場合など。)

 

障害の状態にないか  3級の障害の状態

 

 

(3)

精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。

(たとえば、習慣化した外出はできるが、家事をこなすために助言や指導をひつようとする。社会的な対人関係は乏しく、自発的な行動に困難がある。金銭管理が困難な場合など。)

 

2~3級の 障害の状態

 

 

(4)

精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。

(たとえば、著しく適性を欠く行動が見受けられる。自発的な発言が少ない、あっても発言内容が不適格であったり不明瞭であったりする。金銭管理ができない場合など。)

 

2級の障害の状態

 

 

(5)

精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。

(たとえば、家庭内生活においても、食事や身のまわりのことを自発的にすることができない。また、在宅の場合に通院等の外出には、付き添いが必要など。)

 

1級の障害の状態

ガイドラインでは、「日常生活能力の判定」の4段階評価を1~4の数値に置き換えてその平均値を算出し、「日常生活能力の程度」の(1)~(5)と合わせて表に当てはめて目安を導き出し認定時の参考としています。

判定平均\程度

(5)

(4)

(3)

(2)

(1)

3.5以上

1級

1級又は2級

 

 

 

3以上3.5未満

1級又は2級

2級

2級

 

 

2.5以上3未満

 

2級

2級又は3級

 

 

2以上2.5未満

 

2

2級又は3級

3級又は3級非該当

 

1.5以上2未満

 

 

3級

3級又は3級非該当

 

1.5以上

 

 

 

3級非該当

3級非該当

*障害基礎年金請求の場合、3級は無いため2級非該当と置き換えて判定

 

*障害等級の目安はあくまでも参考です。認定に当たっては、診断書等に記載される他の要素も含め総合的に判断されます。

考慮される他の要素としては「病状」「療養状況」「生活環境」「就労状況」などがあげられます

 

 

 

 

 

 

 

発達障害は

IQではなく社会行動やコミュニケーション能力で判断!!

続きはブログ「障害年金 |発達障害 その4」をご覧ください!!